1棟目は、6,700万円の一棟マンションでした。
そして2棟目は、戸建てにすることにしました。
規模を上げるどころか、下げています。しかもマンションから戸建てへ、種類まで変えました。
この記事では、なぜそうなったのかを書きます。もともとは「1億円の一棟」を探していました。そこから考えが変わった経緯です。
最初は「1億円の一棟」を探していました
2棟目を考え始めたとき、狙っていたのは1棟目より大きい物件でした。
理由は単純で、手間の問題です。
仮に、1億円の一棟マンションを1つ買った場合と、1,000万円の戸建てを10棟買った場合を比べます。キャッシュフローが同じだとしたら、どちらが楽か。
| 1億円 × 1棟 | 1,000万円 × 10棟 | |
|---|---|---|
| 物件を探す回数 | 1回 | 10回 |
| 融資の打診・審査 | 1回 | 10回 |
| 契約・決済 | 1回 | 10回 |
| 管理会社とのやり取り | 1社 | 最大10社 |
| 修繕の判断 | 1棟分 | 10棟分 |
明らかに1棟のほうが楽です。同じ手残りなら、手間は少ないほうがいい。教科書的にも、これが正しい判断だと思います。
だから私も、大きい物件を探していました。
ところが、2つの問題にぶつかりました
① 失敗したら詰む
1億円の物件で判断を誤ったとき、取り返しがつきません。
想定していた家賃が取れない。空室が埋まらない。大規模修繕が想定より重い。どれか一つでも外すと、その1棟が全体を引きずり倒します。
1,000万円の物件が1つ失敗しても、残り9つでカバーできます。1億円が1つ失敗したら、カバーするものがありません。
1棟目でも、買う前の予測が実績の6割にしかならないという経験をしています。予測は外れるという前提で考えると、卵を一つのカゴに入れるのは怖い。
② 慎重になりすぎて、決められない
そして、こちらのほうが実際には深刻でした。
1億円の判断は、重すぎて前に進めないのです。
金額が大きいほど、確認したいことが増えます。もう一度シミュレーションし直す。もう一度現地を見る。もう少し他の物件と比べてみる。そうしているうちに、他の人に決まります。
1棟目のときも、物件探しに半年かかりました。あれは6,700万円です。1億円になれば、慎重さはさらに増します。
気づいたのは、「決められない期間」もコストだということでした。
探している間、資産は増えません。1年迷えば、1年分の家賃収入を失っています。手間を減らすために大型を狙ったのに、決められないせいで前に進まないなら、本末転倒です。
1,000万円×10棟のほうが、結果的に速いのでは
そこで、考え方が変わりました。
1,000万円の物件なら、判断が軽くなります。失敗しても致命傷にならないと分かっていれば、決められます。
| 1億円 × 1棟 | 1,000万円 × 10棟 | |
|---|---|---|
| 手間 | ✅ 少ない | ❌ 多い |
| 失敗したときの傷 | ❌ 致命的 | ✅ 1/10で済む |
| 判断の速さ | ❌ 重くて決まらない | ✅ 決めやすい |
| 買い進めるペース | ❌ 遅くなりがち | ✅ 積み上げやすい |
手間が増えるのは事実です。10棟なら、探すのも融資も契約も10回。管理会社が分かれれば、やり取りも増えます。そこは間違いなく大変になります。
それでも、1年迷って何も買えないより、1年で3棟買えるほうがいい。そう考えるようになりました。
手間は、思ったほど比例しないかもしれません
これはまだ仮説ですが、書いておきます。
1棟目の一棟マンションは15戸あります。33ヶ月の収支を見返すと、入退去がほぼ途切れませんでした。15戸あれば、常にどこかが動いています。
一方、戸建てに住む方は入居期間が長くなる傾向があると言われます。ファミリーで住めば、簡単には引っ越しません。
だとすると、「10棟=10倍の手間」ではない可能性があります。物件の数は増えても、動く回数が少なければ、実務の負担はそこまで変わらないかもしれません。
ここは、実際にやってみないと分かりません。だから、まず1棟やってみます。
戸建てを選んだ、もう一つの理由
金額を下げるだけなら、小さいアパートでもよかったはずです。それでも戸建てにしたのは、出口の広さがあるからです。
| 売るときの買い手 | 値段の決まり方 | |
|---|---|---|
| 一棟マンション | 投資家だけ | 利回りで決まる |
| 戸建て | 投資家 + 実需(マイホーム) | 相場・住みやすさも効く |
一棟マンションを売るとき、買うのは投資家です。投資家は利回りでしか見ません。家賃が下がっていれば、売値も下がります。
戸建ては違います。投資家にも売れるし、そこに住みたい人にも売れます。買い手の母数が二重になります。
実需の買い手は、利回りを計算しません。「この家に住みたいか」で決めます。だから投資物件としての評価とは別の値段が付くことがあります。
入口だけでなく、出口が2本ある。これは戸建ての構造的な強みだと考えています。
資金の面でも、規模を下げる必要がありました
正直に書くと、戦略の話だけではありません。現実的な資金の問題もありました。
先日、1棟目のキャッシュフローを長く間違って把握していたことが分かりました。思っていた金額の何分の一かしか残っていなかった、という話です。
私はオーナー経営者なので、どこの金融機関に持ち込んでも頭金は2割を求められます。1億円の物件なら、2,000万円の現金が必要です。
その原資が、想定より足りませんでした。だから時期をずらすか、規模を下げるかという選択になり、規模を下げるほうを選んだ、という経緯もあります。
戦略が先か、資金の制約が先か。正直なところ、両方です。制約があったから考え直して、考え直したら別の答えが出てきた、というのが実際のところでした。
まず1棟、経験してみます
私が持っているのは一棟マンションの経験だけで、戸建ての運営は未経験です。
入居者との関係は違うのか。修繕の出方は違うのか。管理はどこまで任せられるのか。入居期間は本当に長いのか。これらは、持ってみないと分かりません。
10棟に増やしていく方針に切り替えるなら、まず1棟で確かめる必要があります。いきなり数を増やして、後から「戸建ては合わなかった」となるほうが怖い。
だから2棟目は、規模の縮小であると同時に、次の方針を試すための1棟でもあります。
まとめ
- もともとは1億円の一棟を探していた。CFが同じなら手間が少ないから
- だが①失敗したら詰む ②重すぎて決められないという問題にぶつかった
- 「決められない期間」もコスト。1年迷うより、1年で数棟買うほうが速い
- 戸建てを選んだのは出口が2本あるから(投資家+実需)
- 頭金2割の制約で、資金的にも規模を下げる必要があった
- まず1棟で、戸建てが自分に合うか確かめる
大きい物件を1つ買うのが正解だと思っていました。実際、手間の面ではその通りです。
ただ「決められる金額かどうか」という軸は、最初は視野に入っていませんでした。どれだけ理屈が正しくても、踏み切れなければ何も起きません。
物件の詳しい条件は、取得が完了してから別記事で公開します。
なお、この記事は私一人の実例です。最適な規模や種別は、資金状況や属性によって変わります。実際の判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

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