6,700万円の一棟マンションを買う前、内見に行きました。
そのとき、物件の周辺にある不動産管理会社を、8件ほど飛び込みで回りました。アポも取っていません。近くにあった会社に、片っ端から入っていきました。
目的は物件の下調べです。そしてこれが、買う判断の後押しになりました。
この記事では、何を聞いたのか、なぜ「近所の管理会社」だったのか、そして結果どうなったのかを書きます。
内見だけでは、ほとんど分かりません
内見で分かるのは、目に見えるものだけです。
建物の傷み具合、共用部の清掃状態、駐車場の広さ、駅からの距離。もちろん大事な情報ですが、これらは資料でもある程度わかります。
本当に知りたいのは、そこではありませんでした。
- この家賃、本当に取れるのか
- 空いたとき、すぐ埋まるのか
- このエリアは、実際どう見られているのか
資料には「満室想定利回り10.2%」と書いてあります。ですがその家賃が現実的かどうかは、資料からは判断できません。
近所の管理会社を8件、飛び込みで回りました
そこで、内見のついでに周辺を歩いて、目についた不動産管理会社に入っていきました。
「近くの物件の購入を検討しているのですが、少しお話を伺えますか」——それだけです。
結果的に8件ほど回りました。追い返されることはありませんでした。むしろ、どこも丁寧に答えてくれました。
なぜ歓迎されるのか
理由はあとで気づきました。彼らから見れば、私は将来の顧客候補だからです。
近所の物件を買おうとしている人が来た。買えば、管理を任せる先を探すことになる。その候補に入っておきたい。だから話を聞いてくれます。
売り込みに行くわけではなく、相手にもメリットがある。飛び込みでも成立するのは、この構造があるからだと思います。
聞いたこと5つ
① 家賃相場
まずこれです。資料に書いてある家賃は、本当に取れる金額なのか。
売主側の資料は、当然ながら物件を良く見せる方向で作られています。現在の入居者が昔からの契約で高めの家賃を払っていて、退去したら同じ家賃では埋まらないということも普通にあります。
実際にそのエリアで賃貸を扱っている会社に聞けば、いま募集したらいくらで出せるかが分かります。
② 空室の埋まりやすさ
家賃が取れても、埋まらなければ意味がありません。
このエリアは、募集を出したらどのくらいで決まるのか。繁忙期と閑散期でどう違うのか。客付けの実感は、その地域で日々やっている会社にしか分かりません。
③ エリアの評判
数字に出てこない部分です。
この地域は人気があるのか、それとも敬遠されているのか。周辺で新しい物件が増えているのか。地図と統計だけでは掴めない空気感を聞きました。
④ 入居者層
どういう人が住むエリアなのか。単身者か、ファミリーか、学生か、高齢者か。
これは買った後の運営に直結します。入居者層によって、必要な設備も、家賃の付け方も、退去の頻度も変わります。
⑤ その物件の、過去のトラブル
ここが一番の目的でした。
近所で長く営業している会社は、その建物のことを知っています。過去に何かあれば、地域の業者の間で話が回っています。
入居者間のトラブルがあったのか。管理状態はどうだったのか。事故や事件はなかったか。資料には絶対に書かれない情報です。
なぜ「近所の管理会社」なのか
同じ質問を、売主や仲介業者にしても意味がありません。
| 相手 | 立場 | 期待できる情報 |
|---|---|---|
| 売主 | 高く売りたい | 都合の悪い話は出てこない |
| 仲介業者 | 成約させたい | 同上 |
| 近隣の管理会社 | この取引に利害がない | 事実をそのまま言える |
売主も仲介業者も、嘘をつくわけではありません。ただ聞かれなければ言わないし、不利な情報を積極的には出しません。立場上、当然のことです。
その点、近隣の管理会社はその売買に関わっていません。売れようが売れまいが、彼らの利益は変わらない。だから見たまま、聞いたままを話してくれます。
しかも1社ではなく8件回っています。同じ質問を複数の会社にすれば、話が食い違うかどうかで信憑性も判断できます。
結果、買う後押しになりました
正直に書くと、この調査が決定的な決め手になったわけではありません。買うかどうかは、利回りと融資条件でほぼ決まっていました。
ただ、最後の一押しにはなりました。
数千万円の買い物をするとき、資料の数字だけでは踏み切れません。「この家賃は妥当らしい」「埋まらない地域ではないらしい」「変な話は出てこない」——複数の第三者から同じ感触が返ってくると、判断に自信が持てます。
逆に言えば、ここで悪い話が続いていたら、買わなかったと思います。
そのうち1社が、今の管理会社です
この飛び込み調査には、副産物がありました。
8件の中から、購入後に管理をお願いする会社を決めました。
選んだ基準
- その物件を知っていた
- 対応が良かった
- 物件から近い
一番大きかったのは「その物件を知っていた」ことです。
これは単に物知りという意味ではありません。その物件を知っている=そのエリアで実際に営業しているということです。近隣の建物の状況を把握していて、家賃相場も入居者層も肌で分かっている。
逆に、近くにあるのに物件を知らない会社は、そのエリアで動いていない可能性があります。客付けを頼む相手としては不安です。
距離が近いことも実務的に重要でした。何かあったときにすぐ見に行ける会社かどうかは、運営が始まってから効いてきます。
管理の移管は、拍子抜けするほど簡単でした
購入後、売主が使っていた管理会社から、自分で選んだ会社へ移管しました。
手続きは面倒だろうと身構えていましたが、私は何もしていません。
入居者への通知も、書類のやり取りも、すべて新しい管理会社が進めてくれました。オーナーがやることは、ほぼありませんでした。
「管理会社を変えるのは大変そう」と思って現状維持を選んでいる方がいたら、そこは心配しなくていいと思います。
まとめ
- 内見のとき、周辺の管理会社を8件ほど飛び込みで回った
- 聞いたのは家賃相場・空室の埋まりやすさ・エリアの評判・入居者層・その物件の過去のトラブル
- 売主や仲介業者と違い、近隣の管理会社はその取引に利害がないから事実を話せる
- 決め手ではないが、買う判断の後押しになった
- 回った8件の中から管理会社を決めた。基準は物件を知っていることと対応と距離
- 管理の移管はほぼ何もせずに済んだ
数千万円の買い物をするのに、この調査にかかったのは半日ほどです。費用はゼロ、必要なのは飛び込む勇気だけでした。
物件を見に行くなら、ついでに周りを歩いてみることをおすすめします。
なお、この記事は私一人の実例です。地域や会社によって対応は異なります。実際の判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

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