6,700万円の一棟マンションを買って、2年9ヶ月が経ちました。
この記事では、管理会社から毎月届く報告書の数字を、33ヶ月分すべて出します。いくら入って、いくら出て、手元にいくら残ったのか。1ヶ月も省略しません。
先に結論を書いておきます。2年目は赤字でした。
3年分の手残りキャッシュフロー
| 項目 | 2024年 | 2025年 | 2026年(1〜7月) |
|---|---|---|---|
| 家賃収入(管理会社経由) | 7,388,950 | 7,463,479 | 4,492,584 |
| 管理会社経由の経費 | −1,366,001 | −1,375,538 | −729,295 |
| オーナー送金額 | 6,022,949 | 6,087,941 | 3,763,289 |
| ローン返済(元利) | −3,766,020 | −3,911,492 | −2,355,897 |
| 固定資産税 | −162,000 | −324,000 | −162,800 |
| 火災保険 | −253,890 | −253,890 | 0 |
| 直接支払いの修繕費 | 0 | −2,200,000 | −600,080 |
| 手残りキャッシュフロー | +1,841,039 | −601,441 | +644,512 |
2025年は、年間で60万円のマイナスです。
なお、この数字は最近まで間違って把握していました。その経緯は別記事に書いています。
表面利回り10.2%の物件でも、こうなる年があります。理由は後半で詳しく書きます。
※2026年は1〜7月分のみです。火災保険は支払い時期の関係でまだ計上されていません。
物件のスペック
| 価格 | 6,700万円 |
| 構造・築年数 | 重量鉄骨・築33年 |
| 戸数 | 15戸 |
| エリア | 関東 |
| 表面利回り | 約10.2% |
| 融資 | 5,300万円・18年・当初金利2.85%(現在4.05%) |
管理会社から毎月届くもの
管理は管理会社に委託しています。毎月1回、メールで報告書が届きます。書いてあるのは基本的に3つです。
- 収入計 — その月に入った家賃・共益費・更新料など
- 支出計 — 管理委託料・清掃・突発的な修繕など
- オーナー送金額 — 収入計から支出計を引いて、私に振り込まれる額
この「支出計」が、年間でどのくらいになるか。
家賃収入の約18%です。2024年で約137万円、2025年も約138万円でした。
管理委託料だけなら家賃の数%ですが、ここには共用部の清掃、消防点検、浄化槽や貯水槽の保守、そして突発的な修繕がすべて入ります。「管理料は5%だから」と思っていると、実際の手残りは大きくずれます。
33ヶ月の全記録
管理を移管した2023年11月から、2026年7月までです。単位は円。
| 年月 | 収入計 | 支出計 | 送金額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2023/11 | 600,900 | 34,670 | 566,230 | 管理移管後の初回(部分月) |
| 2023/12 | 600,900 | 101,003 | 499,897 | |
| 2024/01 | 610,800 | 33,642 | 577,158 | 1室空室 |
| 2024/02 | 600,900 | 33,903 | 566,997 | 1室空室 |
| 2024/03 | 600,900 | 47,389 | 553,511 | |
| 2024/04 | 600,900 | 90,229 | 510,671 | |
| 2024/05 | 600,900 | 666,669 | −65,769 | 屋上防水の調査・見積り関連で大幅支出 |
| 2024/06 | 653,400 | 109,797 | 543,603 | |
| 2024/07 | 600,900 | 42,454 | 558,446 | |
| 2024/08 | 600,900 | 70,485 | 530,415 | |
| 2024/09 | 676,900 | 46,206 | 630,694 | |
| 2024/10 | 640,900 | 41,922 | 598,978 | |
| 2024/11 | 640,650 | 44,814 | 595,836 | |
| 2024/12 | 560,900 | 138,491 | 422,409 | 1室退去、浄化槽保守点検 |
| 2025/01 | 560,900 | 45,080 | 515,820 | 1室空室 |
| 2025/02 | 637,757 | 207,563 | 430,194 | 新規成約(広告料・クリーニング・修繕) |
| 2025/03 | 635,900 | 42,060 | 593,840 | 新規成約(敷金) |
| 2025/04 | 694,255 | 222,130 | 472,125 | 新規成約、リフォーム代 |
| 2025/05 | 640,500 | 200,663 | 439,837 | 排水槽ポンプ交換等 |
| 2025/06 | 664,000 | 122,445 | 541,555 | 退去予定、修繕費 |
| 2025/07 | 598,500 | 119,749 | 478,751 | 給湯器交換、2室空室 |
| 2025/08 | 557,500 | 44,235 | 513,265 | 2室空室 |
| 2025/09 | 594,500 | 66,096 | 528,404 | 2室募集中 |
| 2025/10 | 575,000 | 41,269 | 533,731 | 2室募集中 |
| 2025/11 | 697,167 | 197,149 | 500,018 | 1室成約(広告料・クリーニング) |
| 2025/12 | 607,500 | 67,099 | 540,401 | 1室引渡し予定 |
| 2026/01 | 750,274 | 86,699 | 663,575 | 法人契約で成約、満室 |
| 2026/02 | 656,000 | 214,822 | 441,178 | 解約申出、貯水槽点検・修繕 |
| 2026/03 | 656,000 | 44,931 | 611,069 | 1室解約、法人契約も月末解約 |
| 2026/04 | 542,544 | 137,240 | 405,304 | リフォーム代 |
| 2026/05 | 588,500 | 50,637 | 537,863 | |
| 2026/06 | 620,000 | 116,053 | 503,947 | |
| 2026/07 | 679,266 | 78,913 | 600,353 | 再契約 |
送金額がマイナスになった月があります
表の中に1ヶ所、数字が赤くなる月があります。
2024年5月、送金額 −65,769円。
家賃は普段通り約60万円入っています。ところが支出が666,669円あり、収入を上回りました。屋上防水の調査と見積りに関する支出です。
この月は、家賃が振り込まれるどころか、こちらから管理会社に払いました。
不動産投資の説明では「毎月家賃が振り込まれる」と表現されます。実際はそうです。ただしゼロになる月も、マイナスになる月もあります。ローン返済はその月も待ってくれません。手元に現金がなければ、この時点で詰みます。
空室と入退去のリアル
15戸あると、常にどこかが動いています。33ヶ月を振り返ると、入退去はほぼ途切れませんでした。
半年空いた部屋があります
2025年7月に2室が空き、そこから募集が続きました。1室は11月に決まりましたが、もう1室は年をまたぎました。
表の2025年8月から10月を見てください。収入計が55万〜59万円まで落ちています。満室に近い月が67万〜75万円なので、空室2室で月15万円前後の差が出ています。
法人契約が2ヶ月で解約になりました
半年空いていた部屋に、2026年1月、ようやく決まりました。ある企業が社員寮として借りてくれたのです。これで満室になり、収入計は75万円まで戻りました。33ヶ月で最高額です。
ところが、2ヶ月後に解約の連絡が来ます。
理由を聞いて、正直なところ言葉が出ませんでした。入居した社員2人の折り合いが悪く、一緒に住めなくなったとのことでした。
物件の問題でも、家賃の問題でも、立地の問題でもありません。人間関係です。
法人契約は安定していると言われます。実際、支払いは確実ですし、複数人で借りてくれれば埋まりも早い。ただ退去の理由がこちらの想定の外にあることは、やってみるまで分かりませんでした。
半年待ってようやく決まった部屋が、2ヶ月で戻ってくる。これが賃貸経営です。
入退去のたびにお金が出ていきます
表の支出計を見ると、成約した月だけ跳ね上がっているのが分かります。
- 2025/02 — 207,563円(広告料・クリーニング・修繕)
- 2025/04 — 222,130円(リフォーム代)
- 2025/11 — 197,149円(広告料・クリーニング)
1室決まるたびに、20万円前後が出ていきます。広告料(仲介会社への手数料)と、原状回復のクリーニング・修繕です。
つまり入退去が多い年ほど、手残りは減ります。空室で家賃が入らないうえに、決まったら決まったで費用が出る。ここは買う前の試算に入れていませんでした。
管理会社を通さない修繕もあります
ここが重要です。上の33ヶ月の表には、含まれていない支出があります。
金額の大きい工事は、管理会社に任せず自分で業者を探して直接発注しています。理由は単純で、管理会社経由だと単価が高めになるからです。
直接支払った分がこれです。
| 時期 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 2025/07 | 屋上防水工事 | 1,600,000 |
| 2025/08 | 内装リフォーム(2室) | 600,000 |
| 2026/05 | 外壁のクラック補修 | 245,000 |
| 2026/06 | 漏水の修繕・設備工事 | 245,740 |
| 2026/06 | トイレ天井の汚水漏れ復旧 | 57,640 |
| 2026/07 | トイレ天井・クロス張替 | 51,700 |
| 合計 | 2,800,080 |
2年で280万円です。
管理会社の報告書だけを見ていると、この280万円は見えません。報告書上は毎月きちんと黒字なのに、実際の口座からは大きな金額が出ているという状態になります。
収支を把握するなら、管理会社の送金額とは別に、自分で払った分を必ず記録しておく必要があります。
相見積もりは面倒ですが、やります
直接発注する場合、複数の業者に見積もりを取ります。連絡して、現地を見てもらって、金額を比べて、決める。正直、面倒です。
ただ、屋上防水のように100万円を超える工事だと、業者を変えるだけで数十万円変わることがあります。この物件の手残りは月15万円前後なので、20万円安くなれば1ヶ月分以上の差です。やる価値はあります。
逆に、金額の小さい修理は管理会社に任せています。数万円のために相見積もりを取っても、時間のほうが高くつきます。
なぜ2025年は赤字になったのか
ここまでの数字を組み合わせると、答えが出ます。
| 2025年 | 金額 |
|---|---|
| オーナー送金額(管理会社経由) | +6,087,941 |
| ローン返済 | −3,911,492 |
| 固定資産税 | −324,000 |
| 火災保険 | −253,890 |
| ここまでの小計 | +1,598,559 |
| 直接支払いの修繕 | −2,200,000 |
| 手残り | −601,441 |
管理会社経由の数字だけなら、2025年は160万円のプラスでした。悪くない年に見えます。
ところが屋上防水160万円と内装リフォーム60万円、合わせて220万円を直接支払っています。これで一気にマイナス60万円まで沈みました。
築33年の建物です。屋上防水も外壁も、いつかは必ず来ます。買った時点で分かっていたはずのことですが、実際に来た年の数字を見ると、想像していたより重いというのが正直な感想です。
それでも続けている理由
赤字の年があっても、この物件を手放すつもりはありません。理由は3つです。
- ローンの元金が毎年減っている — 返済のうち元金部分は、手残りには出てこないが資産になっている
- 大規模修繕は毎年来ない — 屋上防水を打った以上、当面は不要
- 土地が残る — この物件は6,700万円のうち土地が6,030万円
キャッシュフローだけで判断すると2025年は失敗ですが、元金の減少と土地の価値を含めれば、話は変わります。
とはいえ、現金が減る年があるという事実は変わりません。手元資金に余裕がなければ、この年を越えられませんでした。
まとめ
- 手残りは 2024年 +184万円 / 2025年 −60万円 / 2026年1-7月 +64万円
- 管理会社経由の経費は家賃収入の約18%。管理委託料だけではない
- 送金額がマイナスになった月がある(2024年5月・−65,769円)
- 1室決まるたびに20万円前後が出ていく(広告料・原状回復)
- 半年空いた部屋に入った法人契約が、入居者2人の折り合いが悪く2ヶ月で解約
- 管理会社を通さない直接支払いの修繕が2年で280万円。報告書には出てこない
数字を並べて改めて思うのは、不動産投資は「毎月安定して家賃が入る」というほど単純ではないということです。人が住んでいる以上、想定外のことは起きます。
それでも、続けられる範囲でやっています。
なお、この記事は私一人の実例です。物件の規模・築年数・エリアによって数字は大きく変わります。実際の判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

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