2022年5月、私はSOXL(半導体株の値動きに3倍のレバレッジをかけたETF)を100万円分買いました。1株22ドルのときです。
その後、株価は300ドルを超え、評価額は1,500万円台まで行きました。
そして今、733万円です。
この記事では、なぜ1,500万円のときに売れなかったのか、そして今どうやって売ろうとしているのかを書きます。証券口座の実際の数字をそのまま出します。
最初は「ギャンブル枠」でした
まず前提から書きます。この買い物は、真剣な長期投資ではありませんでした。
レバレッジ3倍のETFは手数料が高く、値動きの大きさから見ても、何年も持ち続ける商品だとは考えていませんでした。
だから位置づけは明確でした。資産全体の数パーセントだけを使う「ギャンブル枠」です。なくなっても生活に影響しない金額。それが100万円でした。
私の資産の中心は、インデックスファンドと不動産です。SOXLはその外側にある、遊びの部分でした。
一時1,500万円台まで行きました
ところが、AI需要による半導体株の上昇で、SOXLは想定を超えて伸びました。株価は300ドルを突破。100万円が1,500万円台になりました。
正直に言えば、単純に嬉しかったです。
資産が増えているのに、怖くなる
ただ、嬉しさと同時に、別の感情が出てきました。
怖くなったんです。
理由は、資産全体に占める割合でした。「数パーセントのギャンブル枠」として始めたはずのものが、値上がりによって、想定していた比率を大きく超えてきたからです。
買った金額は変えていません。増えたのは評価額だけです。それでも、資産の中でSOXLが占める存在感が膨らんでいくと、居心地が悪くなってくる。
資産は増えているのに、怖くなる。客観的に見れば不思議な感情だと思います。でも実際にそうなりました。
これは値動きが怖いのではなく、ポジションが自分の想定より大きくなっていることが怖いということでした。今振り返れば、ここが売るべきタイミングを教えてくれるサインだったのだと思います。
それでも売りませんでした
怖いと感じながら、売りませんでした。理由は2つあります。
理由① 「まだ上がるだろう」
AI需要は本物に見えました。半導体の需要が急に消えるとも思えませんでした。だから「まだ上がるだろう」という気持ちのほうが強かった。
結果だけ見れば「あのとき売っておけばよかった」となります。でもそれは結果論です。あの時点で下がると分かっていた人は誰もいません。
やってみて痛感したのは、これです。
買うのは簡単。でも、売り時は本当に難しい。
買うときは「これから上がるかも」という期待だけで押せます。ところが売るときは、「もっと上がるかもしれない」という欲が必ず邪魔をしてきます。人間なので、どうしても欲が出る。
理由② 税金という心理的ブレーキ
もうひとつ、あまり語られない理由があります。
SOXLを買ったのはNISAではなく特定口座でした。つまり、売れば利益に対して約20%の税金がかかります。
含み益が1,000万円を超えていれば、税金は200万円以上。「売った瞬間に200万円が消える」と考えると、指が止まります。
冷静に考えれば、これはおかしな理屈です。税金を払うのは利益が出たときだけで、払ってなお手元には大きな金額が残ります。持ち続けて下がれば、税金どころか利益そのものが減ります。
それでも、「税金を取られる」という感覚は、判断を確実に鈍らせました。これは知識の問題ではなく、感情の問題です。知っていても効いてしまう。
その後、実際に売却したらいくら税金がかかるのか、金額まで計算して確認しました。減らす方法も4つ調べましたが、結論から言うとどれも使えませんでした。
そして、半値になりました
現在の数字を出します。証券口座の実際の表示です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 保有株数 | 352株 |
| 平均取得単価 | 23.14ドル |
| 現在の株価 | 132.07ドル |
| 評価額 | 733万円 |
| 評価損益 | +628万円(+594.91%) |
ピーク時の1,500万円台からは、半値以下です。800万円近い含み益が消えました。
ただし、損はしていません
ここは正確に書いておきます。
投資したのは約104万円。今は733万円です。取得価格からは、まだ約7倍あります。含み益は628万円。
「半値になった」というのは、あくまでピークと比べた話です。損をしたわけではありません。
ただ、人間の感覚は取得価格ではなく、一度見た最高額を基準にしてしまいます。1,500万円を見たあとの733万円は、104万円が7倍になった喜びではなく、800万円を失った痛みとして感じられる。ここも、やってみて分かったことでした。
なお円建ての評価額は為替の影響も受けています。購入した2022年5月のドル円は128円前後、現在は157円台です。円安が評価額を押し上げている部分があることも、正確を期すために書いておきます。
学んだのは「売り時は自分では決められない」ということ
この経験で得た結論は、シンプルです。
私のような欲深い人間には、自分の判断で利確することは難しい。
「いくらになったら売る」と頭で決めていても、いざその価格に届くと「もう少し上がるかも」と思ってしまう。逆に下がり始めると「戻るまで待とう」と思ってしまう。どちらに動いても、売らない理由が見つかります。
これは知識や経験で解決する問題ではないと感じました。感情がある限り、同じことを繰り返します。
だから今は、指値で機械的に売ります
そこで、今やっているのがこれです。
一部を285ドルで指値注文して、放置しています。
指値注文は、指定した価格に届いたら自動で売れる仕組みです。つまり、そのとき自分がどう感じていようと関係なく、感情抜きに勝手に利確してくれます。
しかも一度に全部ではなく、段階的に指値を置いていくつもりです。285ドルで一部、さらに上の価格でまた一部、というように分けます。
こうしておけば、
- 上がり続けても、途中で確実に利確できる
- そこで止まっても、一部は利確済みになる
- 「売るかどうか」を毎回考えなくて済む
3つ目が一番大きいです。判断を自分から取り上げて、仕組みに預ける。これが、前回の反省から出した答えでした。
それでも全部は売りません
ただし、全額を売るつもりはありません。
やることは、当初の位置づけに戻すことです。資産全体の数パーセントを占める「ギャンブル枠」。その比率まで戻して、そこから先は持ち続けます。
なお、この「数パーセント」は思い込みでした。後日ビットコインを含めて計算したところ、ギャンブル枠は資産の約2割ありました。
今回の反省は「SOXLを買ったこと」ではありません。膨らんだ比率を放置したことです。商品が悪かったのではなく、配分の管理をしていなかった。
ギャンブル枠を数パーセントに保てる理由
最後に、少し違う角度の話を書きます。
レバレッジ3倍のETFを数パーセントに抑えられるのは、残りの部分が値動きの穏やかな資産で埋まっているからです。土台があるから、外側で多少荒いことができる。
私の場合、その土台はインデックスファンドと不動産です。特に不動産は、株価が半分になっても家賃が半分になることはありません。値動きの性質がまったく違います。
ただ、不動産は現物を買うとなると数千万円の世界です。私が最初に買った一棟マンションも6,700万円で、自己資金は1,832万円かかりました。誰にでも勧められる金額ではありません。
もし「株の値動きに振り回されるのが疲れた」「値動きの違う資産を少しだけ持ってみたい」ということであれば、不動産クラウドファンディングのように1万円から始められる仕組みもあります。現物と違って融資も管理も不要で、比率を調整する目的なら十分に機能します。
私自身の一棟マンションの数字(取得費用の内訳、融資条件、毎年のキャッシュフロー)は、別記事にすべて実額で書いています。
まとめ
- 100万円のSOXLが一時1,500万円台になり、今は733万円(取得価格からは約7倍)
- 売れなかった理由は「まだ上がる」という欲と、税金への心理的抵抗
- 資産が増えているのに怖くなったのは、比率が想定を超えたサインだった
- 結論は「自分の判断では利確できない」。だから段階的な指値で機械化する
- 全部は売らない。当初の「ギャンブル枠は数パーセント」に戻すだけ
最後に念のため書いておくと、この記事は私一人の実例であり、特定の商品を推奨するものではありません。レバレッジ型ETFは値動きが大きく、想定と逆に動けば損失も3倍のスピードで膨らみます。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

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