一棟物件を半年探した記録|予測CCR16%が実績10%になった話

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6,700万円の一棟マンションを買うまでに、半年かかりました。

途中で何度も諦めかけています。いい物件は出てこないし、条件に合うものは他の人に取られる。探している期間が一番しんどかったです。

この記事では、どうやって物件を探したのか、途中で判断基準をどう変えたのか、そして買付から決済までに何がどれくらいかかったのかを書きます。

あわせて、買う前に立てた予測が、実際にはどれだけ外れたかも数字で出します。ここが一番、これから買う方の役に立つ部分だと思います。

探し方は、地味な作業の繰り返しでした

特別な方法は使っていません。

  • 健美家楽待などの収益物件サイトを毎日チェック
  • 新着物件のメール通知を設定して、届いたら必ず見る

これだけです。毎日メールを見て、条件に合いそうなものがあれば資料を取り寄せる。その繰り返しでした。

不動産投資というと、業者から特別な物件を紹介してもらうイメージがあるかもしれません。ですが最初の1棟目は、そういうルートを持っていません。誰でも見られる情報を、誰よりも早く・多く見るしかないというのが実感です。

半年間、これを続けました。正直、途中で心が折れかけています。いい物件は本当に出てこない。出てきても他の人に先を越される。

なお、実際に買うと決めた物件では、内見のときに周辺の管理会社を8件回ってヒアリングしています。

途中で、判断基準を変えました

探し始めた頃と、実際に買った頃では、見ている基準が変わっています。ここが半年の中で一番大きな変化でした。

最初は「資産性」で見ていました

最初に重視していたのは資産性でした。土地の価値が高く、立地が良く、将来売っても値崩れしにくい物件。

ただ、こういう物件は利回りが低いんです。価格が高いぶん、家賃収入との比率が下がります。

でも私の目的は、キャッシュフローでした

資産性の高い物件をいくつか試算しているうちに、気づきました。

手元に残るお金が、ほとんどない。

家賃が入っても、返済と経費で消えていく。資産としては残るかもしれませんが、私が求めていたのは毎月のキャッシュフローでした。目的と手段が合っていなかったわけです。

そこで基準を切り替えました。資産性より、利回り重視へ。

結果として買ったのは、表面利回り約10.2%の物件です。都心の資産性が高い物件では、まず出ない数字です。

CCRという指標で判断しました

基準を変えるときに使ったのが、CCRという指標です。不動産投資では重要なのに、あまり知られていない気がします。

CCRとは何か

CCRは Cash on Cash Return の略で、日本語だと自己資金利回りです。計算式はこれだけです。

CCR = 年間キャッシュフロー ÷ 自己資金 × 100

よく使われる「表面利回り」との違いは、何に対する利回りを見ているかです。

何に対する利回りか分かること
表面利回り物件価格に対する家賃物件そのものの収益力
CCR自分が出した現金に対する手残り自分の投資効率

表面利回りは「その物件が優秀かどうか」を示します。CCRは「自分が出したお金が、年に何%働いているか」を示します。

融資を多く引ければ自己資金が減るので、CCRは上がります。逆に頭金を多く入れるほどCCRは下がります。同じ物件でも、買い方によってCCRは変わるということです。

予測CCR 16%が、実績10%になりました

ここが、この記事で一番お伝えしたい数字です。

買う前に立てた予測

項目買う前の予測
投入する自己資金約1,832万円
年間キャッシュフロー約300万円
予測CCR約16%

CCR16%。6年ほどで自己資金を回収できる計算です。この数字を見て、買う決断をしました。

実際どうだったか

項目実績(修繕のない年)
投入した自己資金約1,832万円
年間キャッシュフロー約184万円
実績CCR約10%

予測の約6割です。年間で116万円、想定より少なかったことになります。

原因は修繕と空室でした。買う前のシミュレーションに、これらが十分に織り込まれていなかった。予測が甘かったということです。

しかも、この10%は「修繕のない年」の数字です。翌年は屋上防水工事に160万円かかり、CCRはさらに大きく下がりました。

物件資料の予測は、鵜呑みにできません

私のケースでは、実績が予測の約6割になりました。この比率を当てはめると、こうなります。

予測CCR実績の目安(6割)
16%10%(=私のケース)
10%6%
8%5%
5%3%

物件資料に「CCR 5%」と書かれていたら、実際には3%程度になる可能性があるということです。

これは重要な意味を持ちます。次の判断基準に直結するからです。

CCRが4〜5%なら、株を買ったほうがいい

これが私の判断基準です。

CCRが4〜5%程度しか出ない物件なら、その資金で株のインデックスファンドを買ったほうが割に合います。

理由は手間です。

インデックス投資は、買って放置するだけです。何もしなくていい。一方で不動産は、修繕の判断をして、業者に相見積もりを取って、管理会社とやり取りをする必要があります。「何かが壊れた」という電話も来ます。

同じ利回りなら、手間がかからないほうが優れています。わざわざ不動産を選ぶ意味があるのは、CCRが株を明確に上回るときだけだと考えています。

ただし、これは「実績CCR」の話です

ここを間違えないでください。

「4〜5%なら株」というのは、実際に手元に残った金額で計算したCCRの話です。物件資料に載っている予測値のことではありません。

予測が実績の6割になることを踏まえると、予測CCRで8%を切る物件は、実績で株に負ける可能性が高い。私は予測16%で買って、実績10%でした。それでようやく、株より優位と言える水準です。

物件を見るときは、営業の方が表面利回りを強調してきます。ですが判断すべきは「自分が出す現金に対して、いくら残るか」、しかも「その予測を割り引いた後の数字」です。

買付から決済までの流れ

物件が決まってからの流れと、実際にかかった期間です。

段階かかった期間
買付証明の提出すぐ
融資の仮審査2〜3日
融資の本審査約3週間
売買契約スムーズ
決済・引き渡しスムーズ

圧倒的に時間がかかったのは、融資の本審査です。

仮審査は2〜3日で返ってきます。ここは早い。ところが本審査に入ると3週間ほどかかりました。その間、こちらからできることはほとんどありません。ただ待つだけです。

それ以外の工程は、拍子抜けするほどスムーズでした。契約も決済も、決まってしまえば手続きが進むだけです。

つまり物件が決まってからの山場は、融資1つということになります。

今なら「銀行から先に探します」

ここが、この記事のもう一つの結論です。

1棟目のとき、私は物件から探しました。いい物件を見つけて、それから融資を打診する。多くの人がこの順番だと思います。

今もう一度やるなら、逆にします。

先に融資してくれそうな金融機関にある程度めぼしをつけて、その条件に合う物件を探すほうが効率がいいと考えています。

なぜ順番を逆にするのか

金融機関には、それぞれ融資しやすい条件があります。

  • 融資できるエリアが決まっている
  • 構造築年数によって出せる期間が変わる
  • 属性によって融資割合が変わる

物件から探すと、いい物件を見つけてから「融資が出ない」と分かることになります。半年のうち、かなりの時間をこれで失いました。

先に「この金融機関なら、このエリアの、この築年数まで出る」を把握しておけば、最初から通る可能性のある物件だけを見られます。探す母数は減りますが、無駄が消えます。

私の場合、築33年の重量鉄骨に18年の融資が出ました。これは土地値が価格の9割を占めていたからだと考えています。金融機関がどこを見ているかが分かっていれば、探す条件もはっきりします。

なお私はオーナー経営者なので、どこに持ち込んでも頭金2割を求められました。属性によって前提が変わるので、まず自分がどう評価されるかを知るのが先です。

まとめ

  • 探し方は健美家・楽待の新着メールを毎日見るだけ。特別なルートはなかった
  • 半年かかった。途中で諦めかけた
  • 基準を資産性から利回りへ変えた。目的がキャッシュフローだったから
  • 判断に使ったのはCCR(自己資金利回り)
  • 予測CCR 16% → 実績10%。予測の約6割だった(原因は修繕と空室)
  • だから物件資料の予測CCRは割り引いて見る。予測8%未満なら株に負ける
  • 決済までの山場は融資の本審査(約3週間)だけ
  • 今なら物件より先に、銀行から探す

物件探しは、地味で、長くて、報われるか分からない作業です。ただここで妥協すると、その後の数十年が決まります。買ってしまえば、条件は変えられません。

半年かかったのは、結果的には良かったと思っています。それでも予測は6割に着地しました。時間をかけて選んでも、想定通りにはいきません。そのくらいの余裕を持って計算しておくのが、ちょうどいいのだと思います。

なお、この記事は私一人の実例です。融資条件は金融機関や時期、個人の属性によって大きく変わります。実際の判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

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